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お仏壇の調べ

仏壇の由来は

日本人は古来より、太陽や月、あるいは山や海さらには巨木や巨岩など神秘的なものに対し自然神として崇拝しています。
現代でも「自然の脅威」などといったタイトルで壮大な自然の記録映画をテレピ等で、見ると本当にそう思います。
古代の人々は日々の暮らしの中にいつも自然神と向き合いおそれ敬っていたことでありましょう。
四世紀から六世紀にかけて、外来文化が到来しだし当時の豪族や王権はこれらを受け入れていました。
仏教もその一つです。
仏教伝来は、欽明天皇(552年)に百済(くだら)の聖明王から貢物として、釈迦の金銅仏一尊と幡蓋若干・経論若干巻が献じられた事から端を発しました。
その後さまざまな事柄を経て、聖徳太子(574~622年)が仏教精神を政治に取り入れ十七条憲法第二条を天下に公示されたのを機に貴族社会に仏教崇拝が広がりました。
当時は加持祈祷や守護信仰が、その多くを占めておりました。
685年天武天皇の「諸国の家毎に仏舎を造り仏像を安置し、礼拝するように」との詔勅(みことのり)があり広まったとありますが、一般庶民の各家庭に広まったのは江戸時代中期頃からとされています。

更に時代を経るうちに、仏教に帰依すると同時に亡くなられた方のお位牌をご本尊さまの傍(かたわら)に安置して、その加護を受け安穏に住していただきたいという思想が、今に伝わる仏壇の型式になったのであります。
先祖があって今日の日本があり、自分が存在する事実を改めて知るのもお仏壇の前ならではのことでありましょう。
ご先祖さまに対して香・花・灯燭・珍種を供え、敬恭のまことを尽くし礼拝しご冥福をお祈りする行事は、次第に日本人の生活習慣となり現在もその行為は家庭の要として大切に受け継がれています。

銘木の選定

仏壇を造るにあたり、その基礎となる樹木に対する条件として、
次の6点が重視され世界各国からの厳選された銘木が起用されています。

  • 01. 木質の格調が高い
  • 02. 強度が大で耐久性に優れている
  • 03. 菌や虫に犯されにくい
  • 04. 乾燥性が良い
  • 05. 木質が緻密で木目が美しい
  • 06. 時を経るうちに気品が高まる

日本の銘木

屋久杉

屋久杉
鹿児島県産屋久杉は日本の樹木の中では銘木中の銘木、大きな木で木目が細かく、とても美しく気品に満ちた素材となります。
素晴らしい自然の香りに加え時が経つにつれ、何ともいえない色調に変り、益々その味わいが深まり格調が高まります。
短所はやわらかい木質ですが、それが長所にもなる、特徴をもった不思議な木でもあります。
大自然の妙香を備える最高の宮殿(仏壇)にふさわしい極上の素材です。
尚1000年以上のものは保護されています。

桧
桧(ひのき)は常緑高木樹で日本を代表する第一級の銘木。
材質は帯黄白色で級密な上、光沢・芳香があり、耐久力が強いので、諸々の木材の中で最も用途が広く建築材としても最良の素材です。
又、古来より超一級の仏像は此の桧の内木を使用して創作されています。
更に神殿や仏閣にも神聖なる樹木として桧を使用することが多いようです。

欅
けやきの木にまつわる民話は数知れぬ程あります。
それ程日本人に親しみ愛されて来た純和木です。
木目の美しさは世界屈指の銘木で、その上重硬で耐久性に優れ、寺院や神社の建築材としても多く使用されています。
樫の持つ気品は高級指物や仏壇にいかんなく発揮され名品となります。

栓
栓(セン)はウコギ科で正式には針桐と称します。
山地に自生し、高さは20メートル、25メートルになります。
材質は軟らかく木目は粗いが、やや白い柾目や板目の木目がとても美しく、欅に似ています。
そのため和家具や仏壇に多く使用されています。

エンジュ

エンジュ
槐(エンジュ)はマメ科で落葉高木です。
原産は中国ですが、北海道にも豊富に成育しています。
ここで和木としてご案内致しますのは、古来より日本建築の床柱や玄関の上がりカマチ等に魔除けとして使われて来た由来があるからであります。
仏壇でもこの魔除けの意が重視されるのと木質が硬質で、しかも緻密さがその風格及び気品に満ちていると好まれ、高級仏壇に使用されている第一級の樹木です。

※その他に第一級の銘木として桑や一位などがあります。これらの樹木は、極上品の仏塘に使用されています。

外国産の銘木

縞黒檀

縞黒檀
ストリーキーエボニーと称されるインドネシア産の第一級の銘木です。
極めて硬質で耐久性が強く、菌や昆虫に犯されにくい上に乾燥性が良いという点から唐木の代表格として高く評価されています。
大自然の名作として床柱や仏壇など高級品に古来より使用され多くの名品として生まれかわっております。
素地の色合いはダークグレーの落ちついた色調で美しいのが特徴です。

本紫檀

本紫檀
黒檀と同格の銘木です。
ラオス・タイ・ベトナムが原産地。
級密な木肌に渋みが加わり、紫檀の製品はとても深い味わいが出てきます。
硬い木質に加え、その色調は気品があり、高級楽器や指物家具、さらに床柱などに使われております。
中国では宮殿を建てるときにはこの材が主材として使われます。
仏壇には欠く事の出来ない材であります。

シャム柿(黒柿)

シャム柿(黒柿)
フレイジョ・シリコテと称される。
原産地はメキシコ・グァテマラ。
柿の木科で辺材の区別がなく淡灰白色で黒色の縞目があります。
我が国でも東北地方などから相当量の産出がありましたが、良材の減少と共に輸入材に頼るようになりました。
貴重な素材としてさまざまな高級品に使われる銘木であります。

ウェンジ

ウェンジ
ウエンジ(別名黒タガヤサン)と称される。
アフリカ原産地。
木目は比較的大きいのが特徴です。
原木は黒い為、薬品で色抜きして明るい色調に仕上げます。
仏壇に仕上がると個性に満ちた色調と木目が合いまって格調ある逸品となります。

黄王檀

黄王檀
パオアマレロ・ボコーテと称されメキシコ・グァテマラ原産地。
みかん科の樹木でこの木の持つ味わいにより南米桑ともいわれています。
木目はやや大柄ですが、硬質で光沢があり、その上耐久性に優れています。
明るい色調の仏壇に仕上がる材の一つであります。

セプター

セプター
東南アジア原産地。
此の材は比較的狂いが少ない貴重な素材です。
仏壇では狂いが少ない良材として黒檀や紫檀を練り付ける芯材として重要視される逸材です。

ウォールナット

ウォールナット
北欧が原産地。
胡桃(クルミ科)で山地の谷筋などに成育し高さ25メートル程に達する樹木です。
木質は丈夫で耐久性に優れ高級家具等に多く使用されています。
色調はやわらかく、落ち着いた気品があります。
写真は柾目ですが板目も素晴らしい木目です。
第一級の銘木として仏壇にも多く使われています。
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